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のし(熨斗)は、贈り物に添えるのしアワビの略。昔は実際にアワビをのして作って、それを和紙に包んで添えた。包み方の作法は、室町時代の将軍家あたりから起こり、流派が生まれ装飾的に発達していった。お金にはお金の、反物には反物の、といったように品物によりそれぞれの折り方があり、その折り方で中身が分かるほどだったという。
和紙が貴重なものだったので、使われるのは一部の人々の間だけだったが、江戸時代に入って一般にも広がりはじめた。その後、大衆化とともに簡略化も進み、現在の金封は、その折り方の金子(きんす)包みから派生したと考えられる。
市販されるようになったのは、大阪では封筒業者が兼業で製造するようになり、木版手刷りで、のしと水引は赤と草色の2席刷りのものが発売されてから。さらに明治38年頃活版印刷となり、経済的なことから需要が増加した。