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古代エジプトではすでに各種顔料が作られていたため、壁画や彫像を今に伝えている。その後はヨーロッパに移り、中世紀には不透明絵の具が現れ、水彩絵の具はイタリア文芸復興の頃から使われ始めた。油絵の具は水彩絵の具より前の、15世紀にバン・エイグ兄弟により完成させられている。この頃までは、どの絵の具も画家自身が作っていたのだが、18世紀末頃には特定の人が絵の具を作り、画家は絵を描くことに専念するようになった。その特定の人が、絵の具商の始まりである。
わが国で絵の具商が出現したのは江戸時代といわれている。明治に入っては輸入に頼っていたが、明治22年には水彩絵の具、大正元年には油絵の具の国内製造が始められた。
クレヨンの始まりはギリシャ時代だが、棒状絵の具の形態をとり、その手軽さからヨーロッパからアメリカへと広がったのは1917年頃。わが国に初めて輸入されたのは大正4〜5年頃のこと。大正14年には桜商会(現サクラクレパス)がわが国独自のクレパスを創り出している。クレヨンとパステルの中間的性質のもので、今も広く愛用されている。