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1822年に英国のホーキンスとモーダンが共同で特許を得た、単動式の繰り出し鉛筆がシャープペンシルの元祖といえる。実用的筆記具としてのはしりは1838年。ニューヨークのキーランが「エバーシャープ」の名で製作発表したのが最初となる。
その後、明治10年に日本に輸入され、同37年には東京向島で国産化された。しかし当初は芯の太さが1㎜とか1.5㎜と太く、また機構上、芯の長さも30㎜程度と短かったため、実用品としての価値は低く、万年筆のアクセサリー的地位に甘んじていた。
シャープペンシルがようやく実用品として地位を確立するのは、昭和35年に大日本文具(現在のぺんてる)が、それまでの黒鉛粘土芯に替わる合成樹脂芯を開発してから。それによって芯も細く、長くなっていく。現在使用されている芯の大半は0.5㎜で、設計製図用として0.2㎜、0.3㎜などの細い芯も開発されている。機構的な改良も進められている。長く主流を占めたのは回転式だが、昭和30年頃から精巧で堅牢なノック式が完成し、現在では国産メーカーの多くがこの方式を採用している。