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アルバムが、わが国に紹介されたのは明治時代のこと。当初は写真をアルバムに直接貼っていたが、大正初期にコーナーが考案され、写真の四隅をこれで押さえて貼るようになった。
その形態は戦後も昭和20年代まで続く。30年代を迎えて「フリー台紙」が考案される。特許申請がされなかったので、各社が一斉にこれを利用した。写真を簡単に貼り付け、また保護できるという特長があった。しかし最大の欠点は、のりにあった。5年〜10年経過するとのりが変色した。またベースに天然ゴムを使っていたため、時が経つとベタ付き、写真が剥がれなくなった。
以上は台紙の歴史だが、製本については、戦前から昭和30年代まで和風の大和綴じが主流であった。4つの穴をあけて、2つずつを結ぶ紐綴じ製本で、製本に特別な機械がいらないため、ずっと用いられた。ヨーロッパでは洋本綴じ、つまり糸かがり製本が聖書の製本などで用いられ、アルバムもその製本であったが、設備がいるため、わが国では用いられなかった。やがてフリー台紙が登場する前の頃に、ラセン状の金具を使ったリング式の製本が始まる。