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1920年(大正9年)、米国でセロハンが発明され、これをうまくのり付けする方法を工夫していた3M社のリチャード・ドルーが考案したのがセロハンテープ。「スコッチテープ」として発売された。当初は、マスキングテープとして自動車工場などで使われた。この時、すでに紙や布の粘着テープはあったが、透明なセロハンテープは画期的な発明となった。
日本でも昭和5〜6年頃から試作が試みられ、昭和20年の終戦前に、日絆工業(現ニチバン)が軍部に試作品を納めている。戦闘機の塗装マスキングなどに使われた。戦後、GHQ(連合軍総司令部)は、全ての書簡を開封し、内容を検閲した。開けた封筒を再び封かんするのに大量のセロハンテープを必要としたが、本国から取り寄せるのは大変なので、戦時企業整備によってできた日絆工業に製造させることにし、昭和22年に国産初のセロハンテープが完成、同23年からは「セロテープ」の商標で一般にも販売を開始した。昭和24年からは積水工業も加わり、日本でも普及するようになった。