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そろばん(算盤)は、形は異なるものの世界各地にありエジプト、バビロンなどでは、すでに5000年前に使用されていたそうだ。中国では、元の末期(1366年)頃にかなり普及しており、明の末期(1662年)頃には今のそろばんの形に近いもの(上珠2つ、下珠5つ)になっていたよう。
わが国への伝来は、中国からというのが定説だがその年代は明らかではない。聖徳太子が小野妹子を隋に派遣した頃(607年)、室町時代末期(1570〜1592年)に明との交易で大阪の堺や長崎に入ってきた、などの説がある。慶長17年(1612年)に長崎算盤があったと記した文献があり、これがわが国でそろばんの製造の始まりとされる。また、現存する最古のそろばんは三重県・伊勢市にあり、文安元年(1444年)の銘がある。
4つ珠そろばんは、明治41年の春、東京神田の村田謙造の創案で、当時は一般にはほとんど普及しなかったが、昭和13年に文部省が小学校の必須科目に決定したとき、4つ珠を採用したことから普及しだし、5つ珠にとって代わっていった。