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折る刃式のカッターは、昭和31年、岡田良男(オルファの創業者)によって発明された。発明のヒントになったのは、ガラスの破片と板チョコというからおもしろい。
昔の職人はちょっとした物を切ったり、切り込み線を入れるのにガラスの破片を使った。そして切れ味が悪くなると、ガラスの破片を小石などにぶつけ、再び鋭い破片にして使用した。その様子にヒントを得て、紙などの薄い物を切るには、刃の先端だけが常に鋭く切れるようになっていればよい、包丁のように研いで使うことはなく、刃先だけ簡単に替えられればよい、と岡田は考えた。ただガラスの破片では危ない。使い勝手や寿命を考えどうしても刃物鋼を使用したい。問題は折っていく方法。そこではと思いついたのが、折れ目が入った板チョコというわけ。
こうして折れ目が連続して付けられた板状の刃が作られた。切れ味が鈍くなれば、刃折り具で折り取る。当初、その便利さから印刷やデザイン関係者の間で人気が高まった。やがて一般ユーザーにも歓迎され普及していく。