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ボールペンは、ハンガリー人のラディスラオ・ピロンが毛細管作用を利用したインクの補充装置を考案し、1943年(昭和18年)に今のボールポイントペンをつくることに成功したのが始まり。これをアメリカのエバーシャープ社が特許権を得て改良し製品化した。またアメリカのレイノルズもピロンの特許に触れない方法でボールペンを開発した。
ともに大々的な宣伝で売り出し、新しい筆記具として人気を博し一大ブームを呼んだ。しかし2年後にはインクの欠陥などがあって誰も見向きもしなくなった。日本には第2次大戦後、進駐軍の兵士によって入ってきた。これを手に入れた万年筆製造者らが生産を開始し、昭和22年頃から国産ボールペンが出回るようになり、一時は50〜60社が国産化、ブームとなった。しかし材質的な欠陥や粗悪なインクのため、インクが流れる、文字がかすむ、汚れる、ボールが抜け落ちるなどのクレームが続出。昭和24年には急速に下火になる。
中田藤三郎氏(オートの創業者)が、昭和26年に優れた実用筆記具としてボールペンを完成、インクの改良もあり再び脚光を浴びた。