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鉛筆の起源は古く、古代ギリシャ、ローマ人は鉛のかたまりを円板状にして、そのまま鹿の皮などに記号を記入していた。現在のような鉛筆になったのは、1564年に英国で発見された黒鉛を、木片にはさんで用いたのが最初。その後、ファーバーやステッドラーが黒鉛の粉と硫黄を混ぜて固める方法を工夫したが、なかなかうまくいかなかった。
1795年にフランスのコンテが、黒鉛の粉末と粘土を混ぜ、高温で焼いて作る方法を発明した。この方法は原料の割合で芯の硬さを調節できるため、今も世界中で採用されている。日本に初めて鉛筆がもたらされたのは、江戸時代の初期。オランダ人が徳川家康に献上したのが最初らしい(静岡県久能山の東照宮に、家康の遺品という南蛮渡来の鉛筆が保存されている)。
明治になってからも日常的にはあまり使われず、本格的に普及するのは大正に入ってから。日本人の手による最初の鉛筆は、明治14年に井口直樹によって試作品が作られた。明治20年には真崎鉛筆(現在の三菱鉛筆)ができた。当初は手工業の域を出なかったが、次第に機械化されていった。