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ファクシミリ(略称ファックス)の歴史はきわめて古く、1843年にスコットランドの電気技師、アレキサンダー・ベインによって発明されている。これは、モールスが電信を発明した1837年より少し後、アレキサンダーグラハム・ベルが電話機を発明した1876年より30年以上も前。
日本では昭和3年に丹波保次郎、小林正次両博士がNE式写真電送を完成させ、御大典の写真を東京-大阪間で送ったのが最初。この後いろいろな方法でファクシミリが実験的に使われるが、気象図、文書、図面などの電送に広く用いられるようになったのは戦後から。 わが国では公衆通信回線(一般用の3.4キロヘルツの電話回線)の使用が、音声通信(いわゆる電話)だけに限られていたため、ファクシミリ電送は専用回線を使わざるを得なかった。そのため利用は、新聞社や気象庁、国鉄(現JR)、警察など一部の特殊な業務に限られていた。
ファクシミリが事務用から家庭用まで幅広く利用され始めたのは、昭和48年の電電公社(現NTT)の公衆通信回線開放による。 これにより電話網があればどこにでも設置できることになった。