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日本初の万年筆総合展覧会「万年筆の生活誌-筆記の近代-」を博物館で開催 国立歴史民俗博物館
2016年03月15日

   国立歴史民俗博物館では、3月8日から5月8日まで日本初の「万年筆の生活誌-筆記の近代-」を開催。

   同展は、万年筆が明治時代に海外から日本に輸入され、日本独自の万年筆製作が始まり今日に至るまで、製作に必要な技術の発展やその装飾の技巧の展開、また万年筆を取り巻く文化まで含めて改めて展望する。

   万年筆が輸入されてから、日本ではろくろの応用で国産品が作られるようになり、漢字・ひらがな・カタカナという日本の多様な文字にあわせた繊細なペン先など、独自の技術的発展を遂げた。また、どこにでも持ち出すことができ、すぐに書き記すことができるという特性は、近代の生活のさまざまな場面で万年筆を活躍させ、「書く」という行為の風景を変えた。日本における万年筆の歴史をふりかえることは、西洋起源の道具が日本人の生活に根付いていった歴史の一つをつぶさに見ることであり、広くは現代の人間にとって「書く」ことの意味に思いをはせる新鮮な契機ともなる。

   世界でも賞賛された精巧な蒔絵万年筆の胴軸部分の蒔絵や明治時代に輸入された古典的な万年筆など、魅力あふれるさまざまな万年筆の数々を、その文化的背景とともに考察します。「なつかしくて、新しい・・・」万年筆の展覧会。

   藤尾信一郎副館長は「今回は“書く”という行為の歴史。日本で書くという行為がはじまったのは、中国と外交関係が結ばれた、紀元前2世紀以降で、墨による外交文章が作成された。この会場の展示商品は、遥か2000年の時を経て繋がっている」

「手を動かし、文字を綴る行為は生きていることの証といってもよいでしょう。万年筆はそうした人生の伴走者です。今日、これから、もう一度「書く」ことを見直し、「書く」ことの意味を問い直してはいかがでしょうか」と述べた。

<展示構成>
プロローグ 日本の文字と筆記

第1部 日本の万年筆とその技
1-1-1 輸入された万年筆 1-1-2 初期国産万年筆 1-1-3 国産万年筆の展開
1-2 日本の万年筆の技  1-2-1 ろくろとその技 1-2-2 蒔絵万年筆
1-2-3 さまざまな工夫~インク止め・カートリッジ・キャップレス

第2部 万年筆と日本の近代
2-1 万年筆の時代 2-1-1 大衆化した万年筆 2-1-2 店頭風景(ディスプレイ)
2-1-3 店頭の道具
2-2 万年筆と近代の制度 2-2-1 外交の舞台で 2-2-2 教育の場で
2-3 万年筆と暮らし   2-3-1 万年筆と近代の制度 2-3-2 携行する
2-3-3 記録する     2-3-4 所有する喜び

エピローグ 「書く」を問う
主な展示資料
明治から大正期の古典的な万年筆
貴重な国産万年筆メーカーのカタログ・看板
繊細を極めた美しい装飾が施された蒔絵万年筆
日本各地の万年筆専門店の店頭風景写真
近代日本のさまざまな場面で用いられた万年筆の姿
など

関連イベント
開催期間中に数回「万年筆組み立て教室」を開催予定。

本展の見どころ
・日本の万年筆技術の真骨頂! 蒔絵万年筆の装飾面を展開図にして公開!
・4Kディスプレイで蒔絵万年筆を自在に回転し、気に入った角度から鑑賞できる!
・世界有数の万年筆技術をもつ日本の職人による技を、映像で公開!
・明治の作家たちが使用したのと同じ古典的な万年筆も登場!


開催期間
2016年3月8日(火)~5月8日(日)
会場
国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B  
千葉県佐倉市城内町 117
料金
一般:830(560)円 / 高校生・大学生:450(250)円 /
 小・中学生:無料 /( )内は20名以上の団体
※総合展示もあわせてご覧になれます。 
※毎週土曜日は高校生入館無料です。

開館時間
9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)
※開館日・開館時間を変更する場合があります。

休館日
3月14日(月)、22日(火)、4月4日(月)、11日(月)、18日(月)、25日(月)
※3月28日(月)、5月2日(月)は開館します
主催 国立歴史民俗博物館

 

万年筆以前の時代に戸外でものを書く時に便宜を支えた「矢立」本館蔵
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文明開化がもたらした新しい環境の中で鉛筆も書記に欠かせない「局用鉛筆(複製)」三菱鉛筆東京販売蔵
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丸善はイギリスのデ・ラ・ルー社の「オノト」を中心に万年筆の普及啓蒙を図った
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「万年筆 無銘」「万年筆 ウォーターマン」 個人蔵
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明治44年に創業したセーラー萬年筆は現存する最古の万年筆メーカー
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プラチナ萬年筆 カタログ 中屋商報 看板 など(個人・プラチナ万年筆蔵)
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プラチナ パイロット セーラー  万年筆 
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セルロイド万年筆 カトウセイサクショカンパニー (個人蔵)
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裁判所など官公庁で用いられた万年筆 大橋堂(個人蔵)
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百貨店と万年筆メーカーがタイアップ。百貨店のマークを入れて販売した(個人蔵)
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明治以降、ろくろの技術が万年筆製造にも応用されるようになった
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4Kディスプレイで蒔絵万年筆を自在に回転し、気に入った角度から鑑賞できる!
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蒔絵万年筆 パイロット (本館蔵)
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洞爺湖サミットや日米安全保障条約の調印に用意された万年筆
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戦時下、個人所有と携帯性という特性から万年筆が戦死者の身元特定に繋がり遺品として遺族に届くことも
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