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デザインにこだわり 自分たちが 買いたい商品を揃える つくし文具店(東京都国分寺市)
2014年07月29日

  JR中央線国立駅北口から歩いて20分ほどの住宅街にある3坪のちいさな店が、つくし文具店(東京都国分寺市西町2―21―7=二代目店主・萩原修デザインディレクター)。

   「つながる くらしと しごと」をテーマに、2004年にリニューアルオープンし、創業10年目を迎えた。オープン当初から注目され、全国各地から、文具好き、デザインに興味のある人が多く訪れている。

    元々は、萩原氏の母親が、文房具店を営んでいたが、時代とともに文具店で文具を購入する人たちが減少。それに伴い、地域のお客さんとのコミュニケーションも少なくなったことを寂しく想い1990年、店を閉めた。萩原氏は、その店を15年ぶりに、自身の会社退職をきっかけに、再度オープンした。

    商品は、デザインディレクターでもある萩原氏が関わっているプロジェクトの商品や知人のデザイナーの商品で構成。デザインにこだわり、自分たちが、お金を出して買いたい商品を揃えている。またオリジナル文具も扱い、商品の卸も行っている。オリジナル商品には、ペンケースに収まりやすいサイズが特長の短い鉛筆、ノートなどが。毎年、少しずつ商品を増やし現在では8アイテムまでに。一度使うと、使い勝手の良さから、リピーターも多いという。なかでも、売れ筋の商品は、倉敷帆布を使った「つくしペンケース」。鞄の中にいれてもかさばらない、フラットなデザインなのに、しっかり収納できると評判に。

    萩原氏は、当初、近隣の住宅街に住んでいる人たちの交流の希薄さを感じたと言う。そのため、他の地域から入ってくる人が「地域を開く店」にしたいと考えた。実際にそうすることで、違う空気がながれ、新たなコミュニティースペースになった。そこでは、様々な人が出会い交流することで、文具やデザインの周辺から新しい試みが生まれている。

    同店では、独自システムとして交代で店番を行う日直制を取り入れた。ほかにも、様々な企画を実施。オープン当初の3年間は、店内で展覧会。次の3年は、知り合いのデザイナーを講師に招き『文具教室』。次の3年は、『ちいさなデザイン教室』を実施し、これが今年で3年目となる。

    吉川マネージャーは、店独自の運営方法ついて、「日直制を取り入れる事で、毎日違う個性が店に加わってくる。いつのまにか、ディスプレイに、手書きPOPが置かれたり。それぞれの気づきがあり、店内も変わっていく。日直には、子育てをしていた主婦が社会に復帰する際に、リハビリ的に参加する人もいます。ほとんど人は、ほかに仕事を持ちながら参加。年齢も大学生からリタイアした60過ぎの人まで幅広い。ここは、そういう人たちがフラットに付き合える場所になっている」と話す。

    基本的に日直が、店番を行っている。そのため以前は、日直同士コミュニケーションを取る機会がなかったという。せっかく参加しているのだから、ほかの日直と繋がり、新しい関係を築けるようにと、考え出されたのが『ちいさなデザイン教室』。ここには3クラス、24人の生徒が通う。このクラスの生徒たちが、1カ月、1回ないし2回、日直を行っている。生徒は、デザインに興味がある人、日直をやってみたかった人、文具店員の仕事をしてみたかった人など様々な人が参加している。

    クラスでは、店の運営とは切り離した活動として、「デザイン・地域」をテーマに一年間のプロジェクトを実施。昨年は国分寺の農家にアプローチし、一緒にパッケージデザイン制作に取り組んだ。それをきっかけに、地元の人との繋がりを深めたという。期間終了後も、再度参加する人も多く、またそこに新たなメンバーも加わり、さらに進化したプロジェクトがはじまる。

    吉川さんは、「この店は、自分たちが、できる範囲で、出来ることをやってきました。『小さなデザイン教室』をきっかけに、国分寺の街の人とも繋がりもでき、今後もさらに新しい地域との繋がりを模索していきたい。ただ商品を売るだけの店ではなく、人との繋がり対話を大事にしたいと思っています」と話した。

 



 

つくし文具店(東京都国分寺市西町2―21―7)
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デザインにこだわり、自分たちが、買いたい商品を揃えています
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こちらでエリアマガジンを読みながら、日頃の忙しさを忘れ、のんびりしてみては
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倉敷帆布を使った「つくしペンケース」しっかり収納できると評判です
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長野にある美術製本を得意とする美篶堂で、手製本で開き具合がよい 自由を広げる「つくしノート」
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数字が大きく、タテでもヨコでも判読しやすい。ステンレスでできた15センチの「つくし定規」
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