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音声ペン市場は、将来的には国内1兆円規模に セーラー万年筆文具事業部広域部音声ペン事業室小柳洋室長
2010年08月02日

 セーラー万年筆㈱の「セーラー音声ペン」及びこれに対応したオーディオブックが、BtoCだけでなくBtoB 、BtoG(政府、公共機関)の展開でも好調な立ち上がりを見せている。

 音声ペンは、日本ではなじみが薄いが、台湾、中国では、中学、高校の教育語学教材として広く採用され、普及が進んでいる。文具事業部広域部音声ペン事業室小柳洋室長によると、台湾、中国、韓国では、関連商品が5万個を超えているという。

「ただし先進市場では、どのメーカーもペンと本がセットで、追加の本が欲しい時には、またペンも買わないといけない。これではユーザーが広がらないので、国内展開に当たっては、1本のペンで各種オーディオブックを読めるようにした」

 その一環が年間30万冊以上を売り上げる「旅の指さし会話帳」などを発行する情報センター出版局との提携。同社の出版物すべてを音源化できることになり、すべて一本のペンで読み込める。これにより外国人観光客向けのビジネスが一気に拡大した。音声ペン市場は、将来的には国内で1兆円規模まで拡大するという小柳室長。

「問題はそれが何年後なのか何10年後なのか。この時代のスピードからいったら三年くらいで大枠が見えるのでは。そのためにはBtoCの教育語学ばかりを追ってはダメ。BtoBの付加価値を狙った方が早くそこに届く」

 すでに京都市の観光案内プロジェクトに3000本、JR本体にも数千本単位で起用されている。JR東日本に導入したオーディオブックは、旅の指さし会話帳のデータベースを活かしたもので、もし中国語で切符の買い方、忘れ物の届け方などを尋ねられても音声ペン1本で対応可能とした。京都では京都全域をカバーする、レンタルの四ヶ国語音声ペンがガイドを納品、これには補助金も付いた。

「夏に出る音声ペン対応ガイドはバス路線図。例えば京都駅から東寺駅行く場合、出発点・京都から東寺と3点音声ペンで指すと『3番線ループバスに乗って北向き七つ目の停留所で降りて歩いて5分』」と音声で教えてくれる。これは世界初です」

 キーワードは時間だという小柳室長。音声ペンが面白い商品で、ある程度の市場を取ることも分かっているが、10年後では遅い。1年半後にはっきりとしたカタチを出すという。

 

文具事業部広域部音声ペン事業室小柳洋室長
文具事業部広域部音声ペン事業室小柳洋室長