オフィスベンダーでしか買えない！ 地元に特化したオリジナルご当地文具づくりに注目！
2022年07月29日

㈱オフィスベンダー（白木二郎社長：宮城県仙台市青葉区一番町1―13―14）は、創立27周年を迎えた。

同社は宮城県内に、都心型店舗の「文具の杜」と郊外型店舗の「南吉成本店／中野店／西中田店／遠見塚店」の計5店舗。埼玉県内に「さいたま本店／川口店」を構えている。

店のテーマは「文具のワンダーランド」。文具の楽しさ・おもしろさを体験できる。

なかでも他店舗と比べ2倍以上の広さを持つ東北最大級「文具の杜」は、仙台駅前の商業施設アエル内4階ワンフロア―を使用。1511㎡（457坪）の売場には高級万年筆、文具・事務用品、和紙などの和文具・和雑貨、紙製品、スタイリッシュなデザイン文具など約4万点が揃う。

高級筆記具コーナー売れ筋価格帯は、万年筆が9800円から1万5000円、ボールペンは1500円から2980円。シャープペンは2000円から5000円。

主な顧客は、仙台駅近くのオフィス街で働く方、近隣の学校に通う学生。会社や学校帰りにバス、地下鉄、ＪＲの待ち時間に立ち寄るという。また、休日には近隣の方のほか県外からも来店する。

しかしコロナ禍で新規顧客の来店が厳しくなった。どうしたら市内の店舗に足を運んでもらえるのかを考えあぐねた。そこで考えついたのが同社でしか販売していないオリジナル商品の開発。まずは地元に特化したオリジナル商品にすることで、地元の方にその商品を目的に来店してもらう。そこから口コミで顧客の裾野を広げていく事を狙った。

その商品開発の中心となったのが、外商営業部商品開発課・大野孝之次長。中身のアイデアは全社員一丸となり「これがいいんじゃない」「あれがいいんじゃない」と喧々諤々、完成させた。

そこから誕生したのが三菱鉛筆「ユニボールワン」とコラボしたオリジナル「ジャス」チャーム付ボールペン。「ジャス」と言うのは仙台弁でジャージや体操服の意。40代から上の世代が、学生時代に「ジャス」とう言う呼び方をしていたという。

商品デザインは5色あり、一店舗に一種類しか置いていない。5色を揃えるためには5店舗に足を運んでもらうことになる。5色全部揃えると特典として缶バッジをプレゼント。話題性もありマスコミにも取り上げられ、各色限定300本を発売し5色中、3色についてはほぼ完売した。

6月からは各店舗に勤務しているゴレンジャスが好きな食べ物をテーマに、オリジナルチャーム付きボールペン第2弾「ご当地グルメ編～うめえもん～」を発売した。商品には、シークレットがあり、全部の商品を集めると何かの形になる仕組み。

大野次長は商品開発については、人気映画シリーズのように、商品シリーズのエピソードを繋げて物語になるように作っています。そうすることで、次は『何だろう』と、お客様に期待してもらえる」と話す。

第1弾「ジャス」ボールペンの缶バッチには、次の第2弾がうっすらわかるような繋がりを持たせた。そしてこれから発売の第3弾へと物語は続いていく。

例えば第1弾の「ジャスレッド」が好きなものは第2弾のいちごで赤繋がり。その商品を置く店舗に近い名産物をデザインする事で、地域の方に興味をもってもらう。

実際に購入した人がツイッターで「ボールペンコンプリートして、これ貰ったよ」と投稿すると、「買ってみたい」と反応する人も。

ほかにも今年、宮城県誕生150周年を記念し、県木でもある「宮城県産のけやきの間伐材」を使用したオリジナル多機能ペン「宮城けやき」を発売。クリップ部分が木製なので経年劣化を楽しめる。商品カラーのネーミングも地域に根差した、お祭り、イベントなどの名前を付けた。それにより身近に感じてもらい、3カ月で700本ほど販売した。

オリジナル商品以外にも取扱店が限られている商品も人気。特に同店と仙台駅の土産店で販売している「仙台藩『伊達政宗』騎馬像シリーズのマスク。パッと見、騎乗する伊達政宗公がまるでファッションブランドのロゴマークに見えることもあり、そのユニークさが評判に。同シリーズのＴシャツも好調で6～8月の閑散期の売上に貢献している。

さらに宮城県観光ＰＲキャラクター「むすび丸」グッズ、いぎなし（とても）なまっている宮城のご当地キャラクター「仙台弁こけし」は地元で話題に。

大野次長は社内での商品開発について「二代目の若社長からも、とにかく『チャレンジ』と言われている。社員でアイデアを出し、三割当たればいい。まず突拍子もないところから新たな物が生まれる」。

続けて「どこか『これやりすぎだろう』くらいまでやった方がいい。そうでないとＳＮＳ時代に、商品に目を止めてもらえない」と次なる商品開発に意欲をみせた。