ホーム > オフマガ ニュース一覧 > 夕方5時からユルく店を開ける大人のための文具店、千葉・市川市「ぷんぷく堂」さんに行ってきました。
夕方5時からユルく店を開ける大人のための文具店、ぷんぷく堂(千葉県市川市八幡5―6―29)は、2012年4月に創立。
約2.5坪の店内にはセレクトされた、どこか懐かしの文具や珍しい文具が溢れている。その多くが引き出しの中にあり、開けると、まるで宝物を発見したかのような驚きがある。商品に関しては、店主の櫻井有紀さんが店のイメージに合う文具だけを自ら選び、定価販売を徹底している。
同店が特にこだわるのは鉛筆、糸綴じノート、デッドストック文具、オリジナル文具。鉛筆はトンボ鉛筆、三菱鉛筆をはじめドイツのLYRA、ステッドラーなどを揃えている。こだわりの文具を求め、平日には、仕事帰りの会社員、日曜日などは、おこずかいを握りしめた子ども、親子連れが訪れるという。
お店のオープンのきっかけは、子どもの就職だったという。もともと、ご主人の定年後、夫婦で、何か仕事をしたいと考えていたが、安定した運営ができるよう、少し早く始めたのだと。どんな商売を始めるか、ご主人と話し合いをするうちに、ふと、少し前から収集している昭和レトロ鉛筆が浮かんだ。
そういえば、『鉛筆屋さんって無いな』。ただ、鉛筆だけだと、一回購入すると、買替サイクルが長く、単価も安い。参考にしようと、ほかの文具店をまわってみると、昔ながらのノートを扱うお店が少ないなと、気づいたという。
“書くものと書かれるもの”これを軸にしようと。
同店は、駅からも遠く、夜になると、周りの開いているお店はないとう立地。この条件で、夕方から営業するとなれば、来店したお客様が「どこでも売っている商品」と感じてしまえば、他店に行ってしまう。
そこで櫻井さんは「ほかの文具店で扱ってない商品を置いて、みんなを驚かせよう」と思ったと話す。
オープンから一年半は、ほとんど認知されず、来店客が少なかったという。そこで、お店の情報を発信するため、夜の文具店を手書きでアナログ風に表現したホームページを制作し、話題に。さらにツイッターで、フォロワーを増やすなど、SNSにも力を入れた。その中で、逆にフォロワーから商品を仕入れるための情報や製作現場との繋がりができ、オリジナル文具を作るきっかけになったという。
創業一年目にはオリジナル文具『半分鉛筆』発売。この商品は来店した、主婦が『ペンケースに入らないから、鉛筆持たないのよね』という一言から奮起し開発したもの。大人にも使いやすいよう、鉛筆の長さを半分にした。発売当初は、なかなか購入に結び付かなかった。しかし今では、大人だけでなく、入学前のお子さんに持たせたい、使いやすいので子どもが勉強に集中できると、売れ筋の一つに。
ほかにもオリジナル文具として『リング便箋』『大人のらくがき帳』『あなたの小道具箱』などを発売した。ネーミングも、誰でも商品の使い方がイメージできると好評だ。
最近では、台湾など海外の方が、ホームページを見て、オリジナル文具をはじめ、不易工業のフエキくんキャラクターグッズ、和菓子マグネットなどを購入している。台湾の方は、爆買いをせず、自分の気に入った物だけを選び購入する人が多いという。
また、昨年は遠方の方でも気軽に商品が購入できるよう、アマゾンで通信販売を開始。さらにインターネットを通じて広がった人脈、1人文具メーカーと共にISOT2016にも出展。オリジナル文具の営業活動を精力的に行い、関西の催事や文具店でも販売されるようになった。
そんな同店が創業時から心掛けていることは、3つ。定価販売。天候は問わず営業時間には必ず開店(出張時以外)。自分の健康状態が悪い時は、変わりの人に店を任せるのでなく、自分目当てに来店するお客様をがっかりさせないよう店休することだそう。
今後について、櫻井さんは「この店の事を理解していらっしゃる方が来店するので、楽しく買い物されています。これからも自分が熱く語れる、文具を選び揃えていきたい」と話す。
お客様に喜んで頂けるよう、どこにも売っていないオリジナル文具をつくり、やりがいを感じていきたいという。
ぷんぷく堂 |
どこか懐かしを感じる店内 |
オリジナル文具「大人の落書き帳」など |
約50年は持つと言われている頑丈な材質で作られた、オリジナル文具『あなたの小道具箱』 |
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