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文具店・アーンズ、お客様の支援・提案を明確にし 自然体での店づくり
2016年02月02日

   東京・目黒区の㈱アーンズは、今年、創業70周年を迎える。昭和21年に更生堂文具店として開業。昭和34年に㈲更生堂として法人化。平成4年に㈱アーンズに改名した。

    店は東横線学芸大学駅から徒歩3分の立地。その界隈は、昔から住居を構えている富裕層の多い住宅街で、子どもから大人まで幅広いく同店を愛用してくれている。そうしたお客さんから特に好まれる商品は、流行にとらわれないシンプルデザイン商品や癒し系商品、玩具類だという。店の陳什器は、店内を入ってすぐ中を見渡せるよう、低く設置されているのが特長。また、商品がどこにあるかを記した配置図を置くなどして、買い物がしやすいよう工夫が施されている。

   同店で扱うのは文房具・オフィス家具・OA機器。ほかにも印刷(大型印刷、名刺作成、はがき・DM作成、チラシ・フライヤー、パンフレット・リーフレット、伝票・封筒、法要・挨拶状、リソグラフ印刷)印章、営業ツール制作、デジカメプリント、デザイン企画などにも力を注いでいる。

    店内にある印刷などのメニュー看板は、オフィスツール(会社用印鑑・ロゴ制作・名刺・オフィスレイアウト)、ショップツール(看板デザイン、開店支援、ショップカード)、飲食店様支援(名刺・伝票・メニュー)などを表示。わかりやすく表示することで、各種業態のお客さんが、何が必要になり、それに対して店ではどんな支援・提案が出来るかを明確にしている。お客様と打ち合わせをするカウンターは、サンプルを広げ、ゆったりと商談できるようスペースを広く取っている。

     平成11年、3代目社長に就任した野村氏に、地域密着店として長く経営していく秘訣をこう話す。
「この地域は、新しく移り住む人も少なく、村のような地域性。外出時には、お客様とすれ違うことも多く『こんにちは』と声を掛けられます。その中で、いかに自然体で、お客様と接するかを心がけ、自分の持っている中小企業診断士や日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート、日本酒利き酒師の資格を活かそうおと思いました。自分の好きな事なので、楽しみながら提案をすることができています」。
「界隈は飲食店も多いので、資格が信用になり、お蔭で自分たちの店の良さを理解し、引き出してくれると感じてもっています。それが結果として “地元の方からは頼りにしているお店”という印象をあたえているようです」。

    安定した経営のなか3年前に、同店の目の前に文房具の品数を豊富に揃えた100円ショップがオープンした。最初の3カ月は売り上げが2割ほど落ち込んだが、すぐら元に戻ったという。それは、ここで文房具を購入するという住民の習慣ができていたからだという。今では相乗効果で、100円ショップで無い商品は、同店で購入するという、棲み分けができ共存共栄になっている。

     また、11、12月の季節には、印刷の年賀状、名刺、はがき、チラシ。ダイレクトメールの依頼が殺到する。特に今年の年賀状印刷は1000件を超える注文があった。取次ぎの印刷のほか、若いお客様から好まれるのは、写真を取り込んだ手作り感のあるもの。そんな要望に応えオリジナルデザインに対応することでさらなる顧客の拡大を狙う。

    今後について野村社長は「これから先、商店街や小売店という文化が残ってくれるのか。文具の流通を見ていても、土・日にターミナルビルに入っている大型店で購入する時代になっていく。そうなった時に、いくらこちらが頑張っていても、世の中の流れには逆らえない」。

    そのためには何かに特化した専門店にならないといけないと強調。

    「いろいろなカテゴリーの商品を揃えるのでなく。ノートや万年筆に特化するのも一つの手だと思う。その何かが、自分自身の好きな物でないと受け入れてももらえないし、絶対続かない。これから、そこが何なのかを、時代の流れに任せ、見極めていこうと思っている」と語った。

 

アーンズ
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