可愛いだけじゃない、機能性にも優れた話題のスイーツ文具「アイスクリップケース」開発秘話 ライオン事務器
2015年10月09日
㈱ライオン事務器の若手社員が中心となったプロジェクトチーム『夢工房』が企画する商品が次々と話題となっている。
なかでもひときわ注目を集めたのが、2013年発売の、焼き菓子をモチーフとした「マカロンデザインクリップ」。女性に人気のモチーフを取入れた、机上で使える文具。ターゲットを若い女性に絞り込んだ斬新な発想とデザインが、市場での差別化となり、たちまち人気商品となった。
今年6月には、スイーツシリーズ第2弾として「アイスクリップケース」を発売。本物さながらのリアリティにこだわり、ポップな可愛さがユーザーに受け入れられヒット商品になっている。
商品企画を担当する『夢工房』は、社内の開発や営業など部門の枠を超えて選抜された社員。各部門の担当者が集結することで、消費者目線に立つ者、開発者目線で立つ者の様々な観点から商品を生みだしている。
アイスクリップケースのポップなカラーと丸みのあるフォルムは、見ているだけでも楽しくなる。アイスとコーンには紙を主原料にした素材「マプカ」を使用しており、アイス特有のなめらかさを再現。お店のショーケースに並んでいるような安定感のあるクリアースタンド付きで、デスクに置くだけでもパッと華やかになる。パッケージには、デザイン性の高いクリアーボックスを採用。ちょっとしたお返しや贈り物にぴったり。
『夢工房』で同シリーズの開発に携わった商品本部企画戦略部商品開発担当・田村さん、梅津さん、片貝さん。
開発の経緯について田村さんは、「弊社の商品は、事務的な要素の強い文具が多く、その中で、パーソナル文具を開発し売り出すということは、社内でもハードルが高かった。スイーツシリーズは、究極の可愛いクリップが欲しいという声から誕生しました。実際、発売してみると、こちらが予想していた以上に男女、年齢問わず幅広い層から反響が大きいです」と話す。
アイスクリップケース開発について梅津さんは、「その時々で必要とされる文具が変わってくる。この商品は、市場を客観的に見て、男性が、“女性にプレゼントしたら使ってもらえるか”という視点からも考えました。可愛いだけでなく、実用性を兼ね備えているのもポイントです」。
続けて「商品自体に機能性を持たせ、中身も使いやすいゼムクリップにしました。ディテールにもこだわり、それがよりリアリティのあるイメージに繋がったと思います」と説明。特に苦労したのは、色の選択。いかに美味しそうに見せるか。さらに女性が可愛いと感じる色も、年齢や個性などで違ってくるとう点を踏まえ、微調整にも時間を掛けたという。
ほかにも、パッケージに同梱されているストライプ柄の台紙を開き点線に沿って切り取ると、アイスクリームのコーン部分に巻くペーパーに。機能性にも配慮し、フタ裏側(アイス部分)の中を一段高くし、内蔵された強力マグネットにクリップが付く際、散らばらずにすっきり収納。さらにクリアースタンドには名入れも可能で販促品としても提案できる。
今後について、片貝さんは、「まだこの業界に染まり切っていない入社1、2年目の社員も参加しているので、より消費者に近い意見を聞くことができます。その人たちが、『これが欲しい』『買いたい』と、言った商品がヒットに繋がる要素を持っていると思います。その良い部分を引き出し、開発を進めていきたいです」と話した。
|
フタの裏側に内蔵された強力マグネットにクリップがくっつき、細かいクリップが散らばらずにすっきり収納 |
|
クリアースタンド付きなので、デスクに置くだけでもパッと明るくなります |